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福岡在住|36歳|7歳男の子シンママ。 オンラインスクールでデザインを学び、現在Webディレクター2年目。 Webデザイン・Webディレクション・ノウハウなど学んだことを発信していきます。

上手な要件定義でWeb制作がスムーズに

はじめに


Webサイトの制作やリニューアルの際に、要件定義は非常に重要な役割を果たします。
要件定義とは、プロジェクトの目的や方向性、必要な機能やシステム要件などを明確にする作業のことです。


この工程を適切に行うことで、関係者間での認識の違いを防ぎ、スムーズな制作が可能になります。
本記事では、要件定義の重要性や具体的な内容、手順について詳しく解説していきます。


要件定義の目的と重要性


web design


要件定義の主な目的は、Webサイト制作における混乱や無駄を防ぎ、円滑な進行を実現することです。
要件を明確にしないと、途中で新たな要望が出てきたり、関係者間での認識のズレが生じる可能性があります。
その結果、手戻りが発生し、スケジュールの遅れや予算の超過につながってしまいます。


関係者間の共通理解を醸成する


Webサイト制作には、発注側の企業、制作会社、デザイナー、エンジニア、マーケター、コンサルタントなど、さまざまな関係者が携わります。
要件定義書を作成することで、これらの関係者全員が同じ目標や方向性を共有できるようになります。
これにより、無駄なやり取りを減らし、効率的なコミュニケーションが可能になります。


また、要件定義書は制作工程の指針ともなります。
開発の際に、要件定義書を参照することで、作業範囲の確認や質疑応答が容易になり、手戻りのリスクを最小限に抑えることができます。


スケジュールと予算の管理を支援する


要件定義の際には、プロジェクトのスケジュールと予算についても明確に定義します。
これにより、制作会社は適切な人員配置やリソース管理が可能になります。
また、作業量の見積もりもスムーズに行えるため、無駄なコストをかけずに済みます。


さらに、要件定義書に基づいて作業を進めることで、進捗状況の把握や課題の早期発見が容易になります。
問題が発生した際も、要件定義書を基に原因を特定し、適切な対処を迅速に行うことができます。


品質向上につながる


適切な要件定義を行うことで、ユーザーの求める機能やデザインを把握しやすくなります。
また、セキュリティやパフォーマンスなどの非機能要件も明確になるため、高品質なWebサイトを作り上げることが可能です。


さらに、要件定義書を作成することで、作業の重複や抜け漏れを防ぐことができます。
この結果、無駄なリソースの投入を避け、効率的な開発が可能になるのです。


要件定義の内容


web design


要件定義書には、Webサイト制作に必要なさまざまな項目が含まれます。
主な内容は次の通りです。


基本要件


基本要件では、Webサイトの制作目的や背景、ターゲットユーザー、コンセプトなどを定義します。
また、プロジェクト体制や役割分担、スケジュール、予算なども含まれます。


この項目を明確にすることで、プロジェクト全体の方向性を関係者で共有できます。
また、目的に沿った設計が可能になり、無駄な機能の実装を防げます。


システム要件


システム要件では、Webサイトのシステム構成や使用するテクノロジーを定義します。
具体的には、サーバー環境、CMS、フレームワーク、データベースなどが該当します。


システム要件を適切に定めることで、パフォーマンスやセキュリティ、拡張性の高いシステムを構築できます。
また、運用保守の容易さにも影響を与えます。


機能要件


機能要件は、Webサイトに実装する機能の仕様を定義する項目です。
具体的には、ページ構成やコンテンツ、デザイン、UI/UXなどが含まれます。


機能要件を詳細に記載することで、ユーザーの利便性が高く、目的に沿ったWebサイトを作ることができます。
また、開発工数の見積もりも容易になります。


非機能要件


非機能要件とは、セキュリティ、パフォーマンス、アクセシビリティ、運用保守性などの要件のことです。
Webサイトの品質や安全性、利用者の満足度に深く関わる重要な項目です。


セキュリティ対策の種類、パフォーマンス目標値、アクセシビリティガイドラインの遵守、運用体制やバックアップ方法など、細かく定める必要があります。


要件定義の手順


management


要件定義は、次のような手順で進められます。


現状分析と課題の抽出


まずは、現行のWebサイトの分析を行い、改善が必要な課題を洗い出します。
アクセス解析やユーザー調査、競合サイトの調査などを通して、課題を明らかにしていきます。


課題の例としては、ユーザビリティの低さ、コンバージョン率の低下、検索順位の低下、セキュリティ問題、モバイル対応の不備などが挙げられます。


仮説の立案


抽出した課題に対する解決策を検討し、仮説を立てます。
ここでは、ペルソナやユーザージャーニーマップの作成、マーケティング施策の検討なども行われます。


例えば、「コンバージョン率を上げるためには、ランディングページの改善が必要」「モバイル対応を強化すれば、新規ユーザーの獲得につながる」といった仮説を立てることになります。


関係部署との調整と合意形成


立案した仮説をもとに、関係部署との打ち合わせを重ね、要件について合意形成を図っていきます。
この段階で、予算や制作期間、優先順位の調整なども行われます。


調整が難航した場合は、コンサルタントの支援を受けるのも一案です。
中立的な立場から助言を得ることで、スムーズな合意形成につながります。


要件定義書の作成


最後に、合意された要件をまとめた要件定義書を作成します。
要件定義書には、上記の項目に加え、成果物の内容や納品方法、運用方法なども記載されます。


作成した要件定義書は、関係者で共有し、確認作業を行います。
必要に応じて修正を重ね、すべての関係者が承認した上で、本格的な制作工程に移行します。


まとめ


要件定義は、Webサイト制作の全体像を関係者で共有し、効率的かつ質の高い制作を実現するために欠かせない工程です。
適切な要件定義を行うことで、無駄な手戻りを防ぎ、スケジュールと予算の管理も容易になります。


また、ユーザーニーズに沿ったWebサイトを構築できるため、満足度の向上にもつながります。
制作に入る前に、しっかりと要件定義を行うことが成功の鍵となるのです。